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「狼と香辛料」は社会的縛りを描いている希有なラノベ

普通の作品だと、主人公が無一文になるってよくあるんですよ。
で、あんまり困らない。いや、一応困るけどあくまで漫画的に(コメディ的に)困ってみせるだけで、ある種の自由人として生きていけたりする。ボヘミアンですよ。

「狼と香辛料」でも、これが凡百のラノベなら「無一文になったらなったで、わっちと一緒に自由に生きていけばよいでありんす」みたいな展開になる気がします。主人公が商人を辞めて、狼の謎を探す旅をする展開とか。主人公には実は狼を操る能力があったりとか。
(実際の「狼と香辛料」では、主人公はあくまで商人として社会的に生きていくのが大前提です)。

ほとんどの漫画・アニメ・ラノベでは、経済的な義務とか社会的な縛りが描かれないのです。主人公が無一文になっても、ある意味漫画的自由を得られたということであり、本当の意味で心理的負担は感じてないのです。決して経済問題としては描かれず、コメディとして扱われるのです。

「ナニワ金融道」がかなり衝撃的だったのは、借金を返せないことの恐ろしさを漫画で描いたからです。
普通の漫画の文法だと、借金したらボヘミアンになるだけで、別にいいんですよ。
「ナニワ金融道」は社会的縛りを非常に濃く描いて見せた。それは漫画では極めて例外的だったので、私たちは衝撃を受けたのです。(お金を借りたら返さないといけないという単純なことを描いたら、漫画読者には衝撃的だったのです)。

「狼と香辛料」でも、社会的な掟や縛りをちゃんと描いています。
というか、ボヘミアンルートを禁じている。
普通のラノベだと、主人公が社会から放逐されそうな展開になったら、その後は普通にボヘミアンルートなんですが、「狼と香辛料」では、あくまで社会的商人の立場に留まろうとするのです。

なんで「借金」というのをまともに描く作品は少ないのか?
なんで無一文をコメディとして描いてしまう作品が多いのか?
お約束だから……としかいいようがないのですが、基本的にボヘミアンルートを読者は求めているのです。主人公が社会的縛りから逃れていく展開のラノベが多すぎるのです。だから「社会的縛り」から逃れられない前提の作品に出会うと新鮮に感じるのです。


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