まぼろしのつくりもの
フィクションのルール

物語の在り方勝利はいいが、利益を得るのはよくない

よく「七人の侍」に対して、農民の方がしたたかだ、みたいな言われ方がされます。
それは(現実の農民や侍に対しての言及であるなら)あまり的確ではないような。。。
フィクションではああいうラストが妥当だと思うのです。
侍が勝利して、その手柄で利益を得たら、「七人の侍」は成り立たないのではないかと。
別に破綻するほどの問題ではないけど、あの作品の構図を考えた場合、勝っても得にはならないという結末がまさに妥当なのです。

つまり「七人の侍」を題材にして、侍と農民の関係を史実的に論じるのは、そもそも変なのです。
あのラストはフィクションとして、まさに当然という結末。
サムライが得するなんて、サムライの物語に反するわけですよ。
主人公が損するというのは物語の基本ですが、サムライは特にそうですからね。

利口なサムライとか私腹を肥やしたサムライが歴史上にいたとしても、それは主人公にはならない。
フィクションのサムライはあくまで損するのが役目。
(私腹を肥やしたサムライがいれば、それは主人公が倒すべき腐敗)。

現実だと勝利が成功につながるけど、フィクションでは違う。
フィクションでは勝利と成功の切り分けが必要。
勝っても、それで得をするのは、基本的に好ましくない。

主人公が利益を得るのは絶対に駄目だというわけではないけど、損をさせておくのが無難。


【2008/07/09】 | 物語の在り方 | トラックバック(0)



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