Headline


スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加

「パブリックエネミーズ」



リアルな悪人は嫌いだが、映画に出てくる悪人にはワクワクするという人は多いはずだ。そういう興奮を求めて「パブリックエネミーズ」という作品を借りてみた。2009年アメリカ映画。ジョン・デリンジャーという実在した犯罪王を巡るノンフィクションである。すごい悪いギャングらしいから「ゴッドファーザー」みたいに面白いに違いない……と期待した。しかし、映画としてはおそろしくつまらない。あらゆる意味で見る価値のない映画だった。「時間の無駄」という五文字で語り尽くせる。せっかくだから、この作品がつまらない理由を検討していく。題材がノンフィクションだからなのか、妙に視点が中立である。犯罪王に感情移入すればいいのか、それとも彼を追う警察に感情移入すればいいのかわからない。それに、脱獄があるのがよくない。これでハラハラしろって無理だよ。刑務所入っても脱獄すればいいんだから、緊迫感がない。これもノンフィクションの弊害で、デリンジャーは実際に脱獄を何度もやってるみたいだ。だから史実通り映画でも脱獄するんだけど、そんなの観ても面白くないわけだ。警察に捕まったら終わりということでないと、<ルール>があやふやになる。捕まっても脱獄すればいいや、では観てられない。サスペンスになり得ない。サスペンス風の映画なのにサスペンスでないのは、このあたりが理由。ちなみにデリンジャーの最後は、警察に銃で撃たれての死亡である。刑務所だと脱獄すればいいから、街角で銃撃されての死亡しかないわけだ。ともかく脱獄のおかげで<ルール>が崩壊してつまんない極みの作品である。デリンジャーは1903年に生まれ1934年に死亡したギャングだが、その年代での彼のカリスマ性みたいなものが描けていなかったと思う。このあたりは実在する新聞王を題材として映画史上最高傑作と言われる「市民ケーン」とは対照的である。もちろん市民ケーンはリアルタイムで作ってるから時代の雰囲気があるのは当然なのだが、「パブリックエネミーズ」の雰囲気の無さは酷い。20世紀前半の匂いが伝わってこないし、ほとんど現代社会を描いているみたい。
このエントリーをはてなブックマークに追加
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
アクセスランキング